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by motohirokoshiyama
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「高専生殺害、実名掲載の読売新聞を閲覧制限」に図書館の限界を感じます/何をしているの公共図書館

高専生殺害事件は容疑者が自殺という、真相が闇の中で終わってしまいました。被害者のご親族の方の心痛は計り知れないものがあると思います。事件は終了しましたが、関係のないところでまたこの事件が話題となっています。

それは、読売新聞が加害者の実名を載せた新聞を発行したことで、少年法の視点から、複数の公共図書館が新聞の閲覧制限を設けたことです。このこと自体については、読売新聞に日本図書館協会の松岡要事務局長のコメントが掲載されています。
「図書館は言論の自由を守る役割がある。記事の内容は読者が議論すべきことだ。一般的に閲覧制限は検閲につながる。図書館は資料を提供し、国民の知る自由を後押ししなければいけない。記事内容の判断には、極めて慎重でなければいけない」
全くその通りだと思います。もし、読売新聞だけでなく全ての新聞が実名掲載したら、どうしたのかを問いたいですね。きっとそのときは、読売新聞にあるおことわりと同じことを言うのではないかと思います。
「読売新聞社は、これまで容疑者が未成年のため、匿名で報道してきましたが、容疑者が死亡し、少年の更生を図る見地で氏名などの記事掲載を禁じている少年法の規定の対象外となったと判断したことに加え、事件の凶悪さや19歳という年齢などを考慮し、実名で報道します。」
記事掲載にあたって、このようなおことわりを読売新聞は記載しています。
そもそも、公共図書館とは国民の知る権利を守る番人ではなかったのでしょうか。その番人が記載されている内容を吟味し、閲覧制限を設けることは「検閲」に近しい行為を行っているように思えてなりません。何か違和感を感じます。

閲覧制限自体も問題ですが、私が提起したい問題点は別にもあります。それは

閲覧制限を新聞本紙のみにしかしていなかったのではないかという点です。現在、新聞のトップニュースはその新聞社のWebでも公開されています。ということは、館内にインターネット接続可能なPCがあり、それが一般公開されていた場合、そのPCにも何らかの制限を加えないと片手落ちになるという点です。私の友人などは、新聞は読まずに、Webを見てその日の出来事をチェックしています、このような人が図書館に言った場合は、今回の閲覧制限は効力を持ちません(ただ、彼は図書館には行きませんが)。

「図書館に司書は必要です、司書は状報の専門家です。」この言葉は図書館関係者がよく言っていますが、情報の専門家がこのような片手落ちの手続きをしていいのでしょうか。
もし、「少年法に反しているから閲覧制限をした。」というのであれば、「新聞紙だけでは、閲覧制限になりません。」と言うことです。新聞報道を見る限り、新聞紙についての制限を設けていることは判りますが、Webにまで制限をかけた図書館は一つのなかったようです。そのようなコメントを言っている図書館の方はいないようです。このことが問題なのです。

今、図書館には情報提供機能が求められています。その情報とは、紙媒体だけではなく、デジタル情報も含まれていることは自明です。このような時代に、どう対応していくか、今回の問題を題材に真剣に考えていくべきではないでしょうか。
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by motohirokoshiyama | 2006-09-13 18:30 | 教育と図書館関連