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思っていることを書いています。最近、TBの調子がイマイチですので、返信できない場合はごめんなさい。


by motohirokoshiyama
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【ビル火災】原因は失火ではなく放火!

昨日の大阪雑居ビル火災の原因は何と利用者の放火によるものだったそうです。犯人の供述によれば「死にたくなって、個室内で新聞紙、ティッシュに火をつけた」とのこと、そして怖くなって逃げ出したそうです。死のうと思った放火犯は生き延び、火災で巻き添えになり亡くなられた方々の無念さは計り知れませんね。
【ビル火災】原因は失火ではなく放火!_b0077271_1236573.jpg

消防局の検査によれば、利用者の出口が1か所しかなく、各部屋に窓もなかったそうです。十分な換気ができないだけに煙が一気に充満し、大きな犠牲につながったとみられています。しかし、建築基準法では複数の避難経路の確保が義務付けられるのは、建物の2階より上の部分なので、1階にあった今回の店の場合は必要ではありませんし、窓の設置を義務付ける規定もないそうです。ある意味、法の盲点が今回の惨事を引き起こしたのかもしれません。同じことは消防法でも当てはまります。昨年あったカラオケ店の火災の教訓から、個室各々に自動火災報知機の設置が義務付けられましたが、その種類は特定されておらず、この店の場合は喫煙する客のための熱感知器が設置されていたそうです。この意味では消防法もクリアーされており、建物の違法性はないということになります。
個室ビデオ店(ネット喫茶の同様ですが)が事実上、宿泊施設として利用されている実態が十分に考慮されていないことも一因ですね。布団や枕、寝間着などの「寝具」を提供する施設については、保健所が定期的に監視しますから、何らかのチェック(消防の観点とは異なる)がありますが、宿泊可能とうたっていてもリクライニングシートなどを置いているだけでは対象外で、宿泊名簿の作成義務もありません。
また取扱商品の70%以上が成人向けのビデオやDVDが占める場合は、風営法に基づき、都道府県公安委員会への届け出が必要となり、東京や大阪などでは営業時間は深夜0時までとなり、宿泊機能は事実上失われます。今回はこのいずれにも属していない、現行法規の網の目をくぐった施設ということになります。
原因は放火によるものでしたが、ある意味ではサービスの多様化による法整備の不備が招いた悲惨な事故だったのかもしれません。
同じ繁華街、雑居ビルで起きた「新宿・歌舞伎町」の火災とは全然性質がことなりますね。ぜひ、再発を防止する法整備を早急におねがいしたいものです。

写真は http://www.yomiuri.co.jp/ から
by motohirokoshiyama | 2008-10-02 12:34 | 日記