【医療問題】搬送拒否で妊婦死亡について考える
2008年 10月 23日
公共放送で説明しているわけですから、多分ちゃんと内容を伝えてと思いますが、東京都の記者会見では「当初、脳出血を疑う説明はなかった」としています。どちらが正しいのか判断はできませんが、TVドラマの世界では、スーパー医師がちゃんと正しい措置をしてくれます。
できれば都立墨東病院の当直の先生が機転を利かせていてくれたらと思うのは私だけではないと思います。
さて、問題は7つもの病院が受入を拒否したことではないでしょうか。その7つの病院も日赤医療センター(渋谷区)、東京慈恵医大病院(港区)、慶応大病院(新宿区)など誰もが知っている病院です。
このような事態が起きないよう、「周産期母子医療センター」として登録された都内の22病院を結ぶ専用端末システムが存在していると言うことも初めて知りました。そして上記の3病院は受入OKの「○」印が表示されていたとのこと、いろいろな原因はあると思いますが、一番の原因は産科医不足だということは自明だと考えます。
首都圏では産科医不測はそれほど顕著ではありませんが、それ以外の地域では深刻な問題であるということはTVでよく特集されています。この問題を解決しない限り、この妊婦さんのご遺族の言葉「お母さんの顔を知らない子供が増えることは、もうなしにしてください!」がまた繰り返されてしまいます。このの問題、やはり医療訴訟と密接につながっていると思います。
私事で恐縮ですが学生時代に家庭教師のアルバイトをしていました。教えていた生徒のお父様は救急指定病院の院長先生。病院は自宅に併設されています。普段は温厚で律儀なお父様でしたが、あるとき玄関を開けていつものように「こんばんは」と声をかけると泥酔したお父様が現われてビックリしました。すぐに奥様が現われて「ごめんなさい、今日外科手術があって、終わったところなんです。」その後、奥様のお話では、手術のたびにお酒を程度は別にして院長先生は飲まれるそうです。奥様曰く
「主人にとって、悔いの残らない手術はないようです。患者さんからすれば、手術が成功したことで、主人は感謝されていますが、本人にしてみれば、『あそこで、こういう措置をしておけば、もっといい結果になった』という後悔が毎回あるようですよ。」
確かに医療ミスによる訴訟もあるでしょうが、特に手術は全く同じものはないと聞きます。医療ミスなのか、そうではないのか、結果から判断するしかない今の世の中では、その判断はたいへん難しいと思います。特に産科での訴訟が多いと聞きますので、この問題を解決しない限り、同種の事故は再び起きてしまう危険があります。難しい問題ですが、ない知恵を絞って考えなければいけないと思います。
写真は http://www.jiji.com/jc/p から