薬害肝炎/大阪高裁、和解案提示
2007年 12月 14日
また大阪高裁は、和解案提示にあたっての「所見」も当事者に示し、「全体的解決のためには原告らの全員一律一括の和解金の要求案は望ましいと考える」と指摘しています。だが、国・製薬会社の過失時期の認定が異なる5地裁判決を踏まえればその内容に反する要求ともコメント、「国側の格段の譲歩がない限り、和解骨子案として提示しない」と説明した点が原告にとっては一つの光明かもしれません。
訴訟を起こした人にはそれなりの補償をするが、なにも行動をしなかった人(その中には、自分が薬害肝炎感染者と知らされていない人もいるそうです)には補償なしという和解案には? がつきますね。判例を紐解くとこういう和解案しか導けないのかも知れませんが、しっくりこないことは明らかです。
この結果を受けて、福田首相は町村官房長官、舛添厚労相と国会内で協議し、原告側との和解協議に柔軟な姿勢で臨む方針を確認しました。高裁が和解骨子案の修正案を提示する期限としている今月20日ごろまで、原告側と妥協点を探る考えだそうです。
町村長官は首相との協議後の記者会見で「さまざまな可能性を探りたい。患者の皆様のご苦労に応えられる内容をつくる姿勢で数日間、最大限の努力をしていく」と述べ、一定の譲歩をする可能性を示唆した。一方で「和解案と矛盾しない形でなければいけない。何でもできるということではない」と語っていますから、原告の方々にとって少しは明るい光がみえてきたのかもしれません。ここが福田内閣の正念場、ぜひ国民が納得する和解案の提示が期待されます。
写真は http://www.jiji.com/ から